「水戸黒」とは?豊かな日常とは何か?

備前堀での水戸黒染 水戸黒
森智世子

こんにちわ!
水戸エリアアメーバの森です。
みなさんお元気ですか?


みなさんは「水戸黒」という言葉をしっていますか?

今回は「水戸黒」について書いていこうと思います。

水戸黒引き染め

染色技法「水戸黒」とは?

『水戸黒』とは、江戸時代に水戸で行われていた染色技法です。

水戸藩御用紺屋の任を命ぜられた益子清兵衛が、藩主や家臣たちの、羽織(はおり)や袴(はかま)、裃(かみしも)などをこの技法で染めていました。

なんと、水戸藩2代藩主の、徳川光圀(水戸黄門:水戸光圀公)も愛用したとされています。

『水戸黒』の 技法は、藍で下染をし、紺色に染まった布地を伸子(しんし)張りし て、ヤシャブシ(カバノキ科の落葉樹)を煮出してつくった染液を刷毛(いんもう)で引き染めをします。

さらに鉄しょう液を用いて染色し、それを 何回も繰り返し黒く染めるといった手の込んだ技法でした。

水戸黒お着物

ヤシャブシの実

ヤシャブシの実

鉄しょう液

鉄しょう液

「水戸黒」は青みを帯びた深みのある黒


江戸時代は、紅花などを下地にした赤みがかった黒「檳榔子黒(びんろうじくろ)」が主流でした。

それに対し、水戸藩の藍染めを下地にした『水戸黒』は、青みを帯びた深みのある黒で、千代田城(江戸城)内にて金屏風を背にした際も、真っ黒に映えてたといわれています。

水戸黒:葵の御紋

明治に入って衰退した幻の染色技法「水戸黒」

水戸黒は、亀屋というたった1軒の水戸藩御用紺屋にしか製作が許されていなかったそうで、12代目の益子栄寿さんまで代々受継がれたそう。

ところが『水戸黒』は、明治に入って海外からの化学染料の普及により衰退し一旦は途絶え、幻の染色技法となってしまいます。

しかし、その後、昭和50年ころ、益子永寿さん(故人)が再現に取り組み、のち阿部忠吉さん(故人)に伝授されました。

しかし、阿部さんもその後亡くなり、また「水戸黒」は途絶えてしまします。


伸子(しんし)張り

「水戸黒」を絶やさず伝えていきたい


そんな中、近年、水戸市からの依頼により、1枚の紙きれ(13行の加工手順書)から、水戸黒の復活に挑んだのが、下市の大川染工場の大川哲さんでした。

水戸の人々 http://mito.life/detail/1476/(大川哲さんの回をご覧ください。)


水戸の伝統技法で ある『水戸黒』を絶やさず伝えていきたい、そんな想いがあります。

水戸黒のお着物

【現在、水戸黒染めを行っている場所】

場所=㈲大谷屋染工場
住所=茨城県 水戸市 本町2-10-33
備前堀(1610年開削 水戸市景観重点地区)沿い

電話=029-221-2068
営業時間=8:0017:00
休業日=日曜日、祝日、第2・第3土曜日

創り手である大川哲さんは
創業安政三年、代々水戸下市に古くからある
染物屋、大谷屋染工場の5代目です!

「水戸黒」との関わり

自分と「水戸黒」との関わりは、自分の地元、水戸市下市でのまちづくりの活動がはじまりでした。

地元の良さを少しでも知りたい。地元のまちを盛り上げていきたい!


そんな想いから、以下の2つのイベントや勉強会の企画運営で関わらせていただきました。

2015年 Re MITO66.黒の黒を知る。(ガイドブックデータ)

Remito水戸黒見学会

【2018年 水戸黒について、イベントが行われました:主催 ME TO(ミート)】

水戸のむかし語り:表

むかし語り:裏面

「水戸黒」の商品を販売しているところ

茨城県水戸市内で、水戸黒の商品を販売しているところの情報は、以下になります。

◆偕楽園レストハウス
偕楽園レストハウス | 観光いばらき (ibarakiguide.jp)

◆水戸観光案内所
http://www.mitokoumon.com/guide/

*コロナ禍で休業している場合もあります。詳しくはお問合せください。

まとめ:本物の豊かな日常とは何か?

今回、「水戸黒」の記事をまとめさせていただきました。

『水戸黒』の染色工程を簡単にまとめると、

① 藍で下染(←ここポイント)

② 紺色に染まった布地を伸子(しんし)張り③ ヤシャブシを煮出してつくった染液を刷毛で引き染め

④ さらに鉄しょう液を用いて染色

⑤ ③~④を何回も繰り返し黒 色に染める

とても手の込んでいる染色技法であることがわかりました!

水戸黒:藍染が下地

そして、手間ばかりかかって儲からない技法だから、明治以後の簡便な化学染料におされ、衰退してしまったのでしょう。

水戸には,まだまだ私たちがしらない、眠っている地域資源があると感じています。

『水戸黒』という染色技術もそのひとつ。

地元に住んでいる人達がそのよさに気づき大切にしていくことの重要性。

本物の豊かな日常とはなにか?

大量生産と大量消費の中,廃れていったもの達を改めて見つめ直すきっかけとなりました。

現代にいる自分達が,江戸時代の日常に想いをはせる、タイムスリップしたような,素敵な時間。

地域の個性を生かした産業が、日常の中で継続される豊かさ

それらを守っていくため、文化として後世に残していくためには、

◆次の世代を担う子供たちの教育などに取り入れていく視点
◆まったく新しいビジネス的な視点

なども必要なことだと感じております

彰往考来(しょうおうこうらい)

水戸黒を応援していきましょう!

森智世子

ではではまた!ちゃお。

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